日本心理臨床学会 第29回大会 自主シンポジウム
海外日本人学校等への相談活動(4)
2010年9月4日 東北大学

発表概要

 With Kids-海外に暮らす子ども達の心の健康をサポートする臨床心理士の会―は2006年に、臨床心理士の社会貢献の一つとして、ボランティア・グループと して活動を開始した。 活動の目的は、その名称の通り「親の都合により海外に暮らしている子ども達を取り巻く様々な問題に悩む保護者に対し、電子メールを 主たる媒体として相談に乗る」ことである。活動開始当初はメール相談が中心であったが、2年目からは年に2,3回海外に赴き日本人学校等を訪問するなど、 直接的な相談活動を展開している。
海外と言う異文化の中に置かれた親子が遭遇するいろいろな問題の中で、特に「発達に関する問題」は、保護者の不安に日本語で対応する専門機関が少ないこともあり、深刻な問題となっている。
昨年訪問した国で、その国の男性と結婚した日本人女性たちの作る会に招かれ発達障害について講演した。多くの参加者から、複数言語の環境で暮らしている子ども達の持つ「ことば」の問題についての深刻な質問があがっていた。
今回の自主シンポジウムでは、With Kidsのこれまでの活動報告とともに、国際結婚で生まれ、海外に暮らす子ども達の「ことば」の問題に焦点を置いて考える場を設けていきたいと思う。
今年は指定討論者に、国立成育医療センター心の診療部の児童精神科医師 舟橋敬一先生をお迎えし、アドバイスを頂きながら進めていくことを考えている。

もくじ

Ⅰ.With Kids について

Ⅱ.「発達障害の子どもの言語発達と多言語環境」

Ⅲ.海外からの相談事例:

  • ① 東南アジアからの相談
  • ② 南米からの相談
  • ③ 東南アジアからの相談
  • ④ 東南アジアからの相談

指定討論者: 舟橋敬一先生(児童精神科医)