発表概要
             日本企業の海外進出に伴い、海外で暮らす子どもの数は年々増え、現在5万人以上の学齢期の子ども達が海外で生活している。彼らは日本人学校、補修校、現地校と呼ばれる学校で日々学んでいる。
            スクールカウンセラーをしていても、ある日保護者の赴任に伴って海外に転出する子ども達や、海外から帰国してきた子ども達に出会うことはもはや珍しいこと ではない。子ども達は、出国前は新しい生活への不安やこれまでの交友関係から引き離される悩みなどを抱え、また、帰国してからも逆カルチャーショックとい
            うようなさまざまな問題に直面している。日本国内ではこうした子ども達の持つ問題に取り組んでいるCPも多いことと思われる。
            子ども達が海外で日々暮らす時、そこで起こる不安や悩みは異文化の中での独特なものである場合と、日本の学校生活と同じような問題を抱えている場合とが ある。子ども達ばかりでなく、保護者や日本人学校の教師も、多くの問題を抱えている。いずれにせよ、不安や悩みを抱えた子ども達、保護者、教師はいったい 誰に相談できるであろうか。
            今回は海外日本人学校を中心に、日本にいるCPがどのような相談活動を展開できるのかを模索したいと思う。
        
もくじ
Ⅰ.はじめに: 本テーマ企画までの経緯
- ジャカルタカウンセリング(JC)の設立と活動内容
 - JCの活動を通して
 
Ⅱ.海外日本人学校と子ども達
- 海外に居る日本人児童の分布と推移
 - 日本人学校と補習授業校/組織・経営・教員など
 
Ⅲ.東南アジアの例
- 東南アジアの日本人の生活
 - ある日本人学校の事例
 
Ⅳ.北米の例
- アメリカの日本人学校と補習授業校の現状と課題
 - NY日本人学校教育相談室
 
Ⅴ.相談活動の構想
- 相談対象となる問題(子ども・保護者・教員・その他)
 - アンケートより
 - 日本からの相談活動
 - 現地での相談活動
 
Ⅵ.今後の課題と活動の実際
指定討論者: 栗原祐司氏(元NY国際コーディネーター)
    
    -海外に住む子どもたちの心の健康をサポートする臨床心理士の会 
            